歌舞伎座・四月大歌舞伎

4月は定額制。
昼の部『木挽町のあだ討ち』『黒手組曲輪達引』
夜の部『彦山権現誓助剱 杉坂墓所/毛谷村』『春興鏡獅子』『無筆の出世』

『木挽町のあだ討ち』
よい。

『黒手組曲輪達引』(95分)
黙阿弥による助六パロディらしいけど、そもそも助六って面白い…?(苦手)
木挽町のあだ討ちが30分の休憩込みで2時間40分。
それにくっつけるなら40~60分で良かったんじゃない…?
木挽町目当てで来る人が多いだろうし、なんなら20-30分でも、舞踊でも松羽目物でも、わかりやすく歌舞伎!!ってので打ち出されたほうが良かったのでは…。

助六な出で立ちの幸四郎さんが新鮮だけど、権九郎がやたら襟を抜いてるとこのほうが色っぽい気がする笑。

『彦山権現誓助剱 杉坂墓所/毛谷村』
武術の達人の女房と義母(小判を手裏剣の如く投げ合うぞ)が押しかけてくる…ギャグ漫画では?
9年前に初めて幕見じゃなく歌舞伎座に入った際に最初に観た演目(にざさまシングルキャスト)で、その後他の機会もあり、3回目くらい?
毛谷村だけだと、話がわからなさすぎる…ということが分かるようにはなった。
最後にお園から受け取った勾配を背に挿すのは、美形の背景に花を散らすかのようで、歌舞伎面白いなーと。

[2回目]「毛谷村はるーみっくワールド」というつぶやきを目にしてしまったので、もうそうとしか思えない笑。

『新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子』(55分)
けんけんの気合が入った舞踊の一幕。
胡蝶ちゃんsもあのお年でハード舞踊すごい。
眉が一本眉じゃなくて手拭いを捻ったような眉なのも面白い意匠。

『無筆の出世』(70分)
松鯉氏がすげー豊かなお声だった。
冒頭エピに繋がるのもいいし、昼の部が「仇討ち」なのもいい笑。

松緑さんの講談三部作なら、最初の『荒川十太夫』が好きだな。
人の前世が描かれているのは今回もそうだけど、『荒川~』のほうが人の矜持によりフォーカスしてるから?
報われる要素が入ることで、お説教臭く感じてしまう。
安兵衛は十太夫の嘘に気づいていたのかな…って余韻が良いし、初演の猿之助さんの穏やかな微笑が忘れられない(記憶の捏造の可能性はある)。

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