7/30 《和楽の美 2023》『源氏物語』夕顔・須磨の巻

[写真]『和楽の美2023』ポスター

雅楽→能楽→箏曲と来て、箏・三味線ナシの楽曲→全部入りにホルンやバイオリンetc西洋楽器まで加えた新曲、って構成がすごく面白かった(そして再びお能のソリッドさで〆。
幸四郎さん目当てで行ったけど、それなしでも全然楽しめたな!!
もちろん扇の舞からの客席降りがあった光の君も、大変麗しゅうございました。

七月松竹座を見送ったので、近場でこちらに。
奏楽堂は行ったことないし(鶯谷からが近そうだけど、門が開いてない可能性もあるよね)
座席表も良く分からないし(サイトによって違う!!)
プレイガイドも各社席選択制なので色々見くらべて(窓口が一番良績持ってるかな?と思ったけど、暑い中わざわざ藝大に行くのは…)
当日。

暑い。
[写真]芸大奏楽堂外観[写真]和楽の美2023パンフより出演者など
鶯谷側から行って裏門が閉まってたらシャレにならないので、根津駅から行ってみた。
これはこれで路面の照り返しが熱いね…。
藝大の門(美術館側しか行ったことなかったので新鮮!!)を入ってからもちょっとあるね…。
ともかく現地に着いて、パンフレットをもらって、地下で水分補給&お手洗いへ。
その間ずっと、この日のプログラム解説のようなものが流れていて(14:30から解説ありとチラシにあったわ…)、着席はしていなくても聞けるのはとても良い仕組みだなと。
パンフを開いてあらためて思ったけど、
・観世清和(観世流宗家)
・宝生和英(宝生流宗家)
・松本幸四郎(歌舞伎俳優)
ってめちゃくちゃ豪華ゲストじゃない!!?
観世流も宝生流も見られるんです!!?

筝曲生田流・尺八『平安 春の宴』
いかにも和楽!!という風のお琴の曲で演奏会スタート。
(たしかこの春の宴の後だったと思うのだけど)虫干しする寺男風の作務衣にハタキを持って出てきたのは、たぶん花柳輔太朗さん(日本舞踊)。
全体的な物語立てとしては、寺のあれこれを虫干ししていると、ふっと光源氏のような影が現れて、源氏物語の世界へようこそ…という趣向らしい。

雅楽『青海波』
そして雅楽。
日本の音楽について
・雅楽
・琴
・三味線以後
くらいの3分割程度でしかとらえてないんだけど、改めて聞くと雅楽ってだいぶ様相が違うよなあと思う。

そしてこの後くらいに(うろ覚え)、直衣姿の幸四郎さんがちらっとお出まし!!

能楽観世流 仕舞『半蔀』
能楽宝生流 仕舞『葵上』
能楽宝生流 半能『須磨源氏』
仕舞は紋付・袴姿の直面、半能は面・装束つき。
面白いと思ったのは、欄干部分を置いて橋掛かりに、四方に立てた200mm*200mm*高さ900mmくらい?の木材を本舞台の柱に見立てているところ。
そ、ソリッド~!!!!!
その後の仕舞を見てても思うけど、そぎ落としたソリッドさが能楽だなあと。勝手に。
日本舞踊はまだ「仕草」として解読できるけど、能はもっとお約束?抽象化されていて、何を表しているのかが初心者には分からない(かっこいい)。

<第二部>
筝曲山田流『須磨恋慕』
筝曲山田流『白き花』
ここでいよいよ光源氏・幸四郎さん登場。
直衣姿で扇を持った雅な舞…光源氏お似合いですね。知ってた。
(足だむだむ系のかっこいい素踊り成分補給に6/20今藤政太郎作品演奏会見に行けばよかった…とも、ちょっとだけ笑)
上手側にやたら視線が来て、御贔屓さんのおこぼれにあずかれてラッキー^^と思ってたら、なんと客席降り!!
舞っている時に沓が大変そうだと思ったのだけど、なんなく階段を下りて、中ほどの通路を通りすぎ、さらに客席奥2/3くらいまで登って行かれたんじゃないだろうか?
たっぷり時間を使って、下手側から去って行かれ…たと思ったら、ステージには次の曲の皆さまが。
「なんでこの人こんなにのらくら歩いてるの?やりすぎじゃない?」的雰囲気のひそひそ話が聞こえてきてたんだけど、なるほど、転換の時間を使っていたのね(笑)。

長唄・邦楽囃子『夕顔』
確かここで三味線初登場。
三味線はわりあい歴史が浅い(日本伝来が16世紀頃?)ものね。

日本舞踊・邦楽囃子『源氏供養』
個人的に(終曲との対比含めて)面白かった曲No.1
三味線や琴のような旋律を奏でる弦楽器なし、小鼓・太鼓・長唄に笛や木魚もあったかな?って構成が興味深い。
そこに輔太朗さんの日本舞踊。
日本舞踊って俗っぽいというか、具象だよなあ…。
(歌舞伎も私の中では「俗っぽい」ジャンル。能と対比して)

能楽観世流 仕舞『岩船』
終曲
仕舞を挟んで終曲。
これは、この日でできた和楽器フルに、ヴァイオリン、チェロ、コントラバスにフルート、ファゴット、ホルン、ティンパニといった西洋楽器まで加わる和洋フルコース構成。
たーのしーーー!!
和楽器と舞踊の歴史を振り返りつつ(でも深入りはせず)、最後にこれは楽しいでしょ~。
ってことで幕。

カーテンコールでは幸四郎さんも光源氏装束のまま再登場。
段取りをあまり決めてなかったようで、ちょっと譲り合いが発生しつつ真ん中に収まってた笑
(年齢で言うと観世さんが最年長かな…とか思わなくもないけど笑、制作統括・萩岡さんのご挨拶の内容と、あと単純に格好が一人だけ浮いてるからね!!)
制作統括・萩岡松韻さんは今年度で定年退官されてしまうとのことで、来年以降も続いたらいいなーと思う面白い演奏会だった。

奏楽堂について

・この日は7列目が最前列。傾斜は9列目から。19列目あたりから傾斜が急になるっぽい?
・座席表がサイトによって違う…。施設公式の座席表だと8列目が無い。
こちらをみても、8列目はない…可動式か改装か何か?
・8列目の後ろというか9列目前に幅のある手すりというか腰高のかべみたいなのがあるよ。
・館内写真撮影不可。もちろん飲食も不可。
・トイレと自販機は地下。トイレはまあまあ個室が多い。
・寄木細工みたいな木製フローリングなので、靴によっては足音が響くかも。

セトリ

<第一部>
筝曲生田流・尺八『平安 春の宴』
雅楽『青海波』
能楽観世流 仕舞『半蔀』
能楽宝生流 仕舞『葵上』
能楽宝生流 半能『須磨源氏』

<第二部>
筝曲山田流『須磨恋慕』
筝曲山田流『白き花』
長唄・邦楽囃子『夕顔』
日本舞踊・邦楽囃子『源氏供養』
能楽観世流 仕舞『岩船』
終曲

概要

藝大21 東京藝術大学 演奏藝術センター主催公演 《和楽の美 2023》
優美なる競演、深遠なる恋物語
『源氏物語』夕顔・須磨の巻
https://www.geidai.ac.jp/container/sogakudo/126060.html
【特別出演】観世清和(観世流宗家)
      宝生和英(宝生流宗家)
          ○
      松本幸四郎(歌舞伎俳優)

    【出演】東音味見純(長唄)
        東音瀬川靖代(長唄三味線)
        萩岡松韻(箏曲山田流)
        上條妙子(箏曲生田流)
        藤原道山(尺八都山流)
        藤波重彦(能楽観世流)
        水上優(能楽宝生流)
        花柳輔太朗(日本舞踊)
        盧慶順(邦楽囃子)
        新谷恵 ・ 八槻純子(雅楽)
        迫昭嘉 (指揮)

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