劇団☆新感線『偽義経冥界歌』その2(3/19夜LV、3/22、3/24東京楽)

『偽義経冥界歌』松本公演より

gdgd感想その2
とくに隈取のことと、転換のこと。

■隈取のこと
いのうえ歌舞伎で白塗り・隈取を使ったのは今回が初めてだと思うんだけど、それがとても効果的で、歌舞伎すごいな、いのうえさんの演出すごいなと。
白塗りで舞台に出てきても「ああ、死んだ人だもんね」と納得できる必然性が用意された上での
クライマックスで隈取どーーん!!でテンション爆上がり。
このための白塗りでもあったのかーーー!!?
って。普通の肌に隈取を入れてもあまり目立たないもんね(阿弖流為様ごめん)。
それがよくある”目じりにちょっと赤”なんかじゃなくて、潔くはっきりくっきりヒーロー隈取なのも、むちゃくちゃかっこよかった。
とくに令和版はかなり大きめに大胆に書いていたように思う。
全身真っ白~白銀で、ぱっと見はトート@死=洋風っぽいのに、隈取が似合う生田斗真すごい(カテコでそのままニッコニコしてるのも大変に良い…)。

対する地獄の軍団側が藍隈で、ほぼ同じスタイリングの遮那王牛若と玄九郎義経が、剣を合わせて客席側を向いたときの相似形っぷりは、まさに「俺はお前の合わせ鏡だ」だった…。
(遮那王牛若、たいてい癇癪起こしてるお子様キャラだったけど、とてもいいお役では…)

さらに、さとしさんの赤い舌の悪役感…!!
(そう感じるのは、歌舞伎の文法を知ってるから?でも藍隈+赤い舌って絶対にヒーローには見えないよね)
玄九郎vs秀衡で、玄九郎が秀衡を後ろから剣で抱えるようにして台詞を交わすところはライビュでアップで見られてよかったシーンの一つ。

■転換のこと
年末に場面転換にややストレスを感じる舞台を見たせいか
 #細かく分かれた場面ごとに毎回律義に幕を閉めるので、単調で紙芝居のようだった。
 #セットの都合上仕方ないとも言えるけど、それで全体のバランスが崩れるならそのセット重視は間違ってるのでは?
令和版は先にライビュで見ていて、転換はやくね?と舌を巻いていたのだけど、リアルで見ても早かった。

転換前になると降りてくる黒い幕(朧でも使ってたやつだ)が、その時点では透けていてひと続きのシーンに見えているのに
幕前や花道(正しくは横道)で芝居をしている間に暗くなるのがポイント?
で、その芝居が終わっとすーっと幕が上がると場面が替わってるから、転換を意識しないような。
そもそもセットを転換するのも素早くて、そちらに注目してても「はや!!」と驚くけど。
スタッフワーク凄いなぁぁぁぁ。
(こういうスタッフワークを維持するためにも、休業補償でその人たちを業界にとどめておくことは必要)

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