演劇のおしごとVol.4~演出家とは?~

・流山児祥(日本演出者協会理事長)
・宮田慶子(日本演出者協会副理事長・新国立劇場 演劇研修所長)
・小川絵梨子(新国立劇場 演劇芸術監督)※主に聞き手
のお三方のトークセッション。
印象的だったことと感想を少し。
(メモ書きから再構成したので、文責はわたしにあります)

東京か地方か

演劇行為はどこでも出来る。(東京は経済として成り立つ場所ではあるけれども)

四季しか見たことないような人たちに「こういうのがあるんだ」という衝撃を与える

宮田さん「(地方では)会館的なところで宿題をやっていたり、ダンスしていたり、サックスを吹いていたりする」

まさに私(田舎のこども劇場で年に数本芝居を見る)も、流山児さんの『アトミック・ボム』を見て「こんなのあるのかー!」と衝撃を受けたクチ(女子高生 meets アングラ)なので、地方と東京の差については色々思うところがあって。
といって都市sageの地方礼賛というほど単純ではないんだけど…地方でやってくれる人はありがたいよね…。

演出家になりたい場合

流山児さん:「演出家は日本にいる限りは独学」大学で習ったとしても、次のステップへの溝があり、劇団を作るか弟子入りをするか等キャリアパスが微妙。
宮田さん:「演劇史・劇場論を最低限は…」

Q:月に数本見ているが、人に奨めるほど面白いものがない

そんなに簡単に感動ってするんだろうか?

流山児さん:歌舞伎座の一幕見席を勧める。「あいつら400年やってる」「作家や演出家のものになっている芝居は面白くない」
宮田さん:「そんなに簡単に感動ってするんだろうか?」年に1回もない。人生をちょっとずつ変えていく。
心の襞と脳みその襞をちょっと増やせたらいい。が、最近は襞を作るところから提示しなければ行けなかったりして手間がかかる。
月1,2本じゃ、そりゃ良いものには出会えない。観るしかない。「ハズレがあるからホームランもある」

この日いちばん面白かった話題。
Twitterをやってると、みんな解像度が高くて、かつ感動してるので、解像度低めかつ不感症気味につい斜めに見てしまう身としては「だよなーそんなもんでいいよなー」と少し心強く感じた。
(解像度の高さと感動してるかどうかはもちろん別なんだけど)
演劇や映画や芸術や物語は、少なくとも誰かある人にとっての必需品ではあっても、すべての人間個人個人にとっての必需品ではない、けど社会の構成要素としては必需品として扱われて良いものだと思う。
まあ、あったほうが良いよね。


  • タイトル:【ギャラリー・プロジェクト】「演劇のおしごと」Vol.4~演出家とは?~
  • 会場:新国立劇場中劇場
  • 会期:2019/06/16
  • web:https://www.nntt.jac.go.jp/enjoy/library/exhibition/detail/18_015259.html
  • 出演者:流山児祥(日本演出者協会理事長)/宮田慶子(日本演出者協会副理事長・新国立劇場 演劇研修所長)/小川絵梨子(新国立劇場 演劇芸術監督)
  • 鑑賞日:2019/06/16
  • 書いた日:2019/07/14

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