四半世紀前だったら、とても引き込まれて観たと思う。
が、中高生ではなくなったいまの私はユートピアやアジールなんて無いと知っているし、”目に見える自分”と”目に見えない自分”があるとしても、その乖離にはそれなりに折り合いをつけてるので、だるかったというのが正直なところ。
といって現代の15歳はディストピア物にすら目新しさを感じない世界を生きている気がするので、単純に「中高生に見て欲しい」とも言えず、
「25年くらい前に子ども劇場で見たら面白かったかもね」という感想にしかならない。
あの学芸的衣装が余計にそう思わせるのだけど、何かを意図してるんだろうか。
初演は30年前とのことなので、当時は目新しかったのかもしれない。
1989年に筧利夫や勝村政信が、2003年に山本耕史や富田靖子が演じた(新国立劇場で!?)第三舞台の名作とのことだけど、2003年でもきつそう。
序盤で編集者が「SFはもう流行りません!ディストピア物ですよ!!」と説得するあたりは楽しく期待して観てたんだけど…。
第三舞台を観たことがなくて、鴻上さんの人生相談的なものや、ヴィレッジ細川Pの『演劇プロデューサーという仕事』は面白く読んだのだけど…。
唯一知っている小沢道成さん(『メタルマクベス disc1,3』のグレコJr.ローマン)で、そのひとと
ああこの役と役者さんは嫌いじゃないなあと思ったタンジェリン・ドリームが同じだったときはちょっとびっくりした。
ローマン、あの規模の劇場であのテイストをあの公演回数やるのって、なかなか肝が据わってると思うんだ。
2003年の新国立劇場・中劇場のはこんな感じ https://www.nntt.jac.go.jp/enjoy/record/detail/37_004736.html
2003年版を見た人の感想ブログ。なるほど(でも鴻上さん、劇団の人と飲みに行ったりはしないらしい。その辺も含めて面白いなあと)鴻上尚史「ピルグリム」
http://kyokou.thirdstage.com/info/next/2018/11/21-14th_pilgrim
作・演出:鴻上尚史
CAST:秋元龍太朗 小沢道成 小野川晶 三上陽永 渡辺芳博 森田ひかり 梅津瑞樹 溝畑 藍 金本大樹
那須康史 山越大輔 吉原桃香/石田彩乃 坂本健 辻捺々
伊藤今人(梅棒/ゲキバカ)